アーバンチャンピオン

アーバンチャンピオン

都会の王者を目指して

ルール無用、ではない

夜も更けた天下の往来で堂々と殴り合いを展開し、相手をマンホールに落下させる事が出来れば貴方もアーバンチャンピオン!(直訳するとアーバンチャンピオン=都会の王者)
都会の王者、それは数秒前まで植木鉢を落としてきた住人も紙吹雪で祝福してくれるほど名誉ある称号なのだ。
いや、まず植木鉢を落としてくる動機がわからん。

ゲーム性は至ってシンプル。アーバンチャンピオンというタイトルなだけあり、戦いの場はリングではなくそこらの道端天下の往来。俗に言うストリートファイトである。
筆者の勝手なイメージだが、ストリートファイトといえばルール無用の残虐ファイト、パンチ、キック、投げ技、関節技、武器、放電行為、ソニックブームなどを駆使し、勝てばよかろうなのだァァァッ!!を地で行くような勝利絶対主義な世界だとばかり想像していましたが、本作の攻撃方法はパンチのみ。え?そんな生温い戦い方で大丈夫?
柔道家だと思ってたら衝撃破を出してくるようなヤツとか、地面に対し並行になって飛んでくる力士(推進力不明)と対峙したらどうするの?なんて心配はご無用。相手もパンチしか繰り出してこないので。
ストリートファイトの割にはやけに健全。ルール無用どころか競技っぽささえ感じる3点先取ルール。挙句の果てにパトカーが通り過ぎようものならケンカを中断して知らん振りをする始末。
都会の王者でもルールとモラルって大事なんですね。

本当の敵はマンホール?

上記でも少し触れましたが、本作は3回相手をダウンさせる事が出来れば勝利となる3点先取ルール。パンチがヒットすると転げ回りながら後退し、画面端まで追い詰めたら1点GET。
勿論ガードや体を反らしパンチを回避する事も出来るので、対人戦ではちょっとした駆け引きが必要になる。2回追い詰められた3ステージ目では画面端に蓋の開いたマンホールが出現。
「3回目の敗北=マンホールの中へ落下」それは=死を意味しているのでは?と勘ぐってしまうが、任天堂がそんなブラックなゲームを世に送り出す訳ないよね!…ないよね!

まあ、死なないにしても只では済まないであろう事は容易に想像出来る。よくよく考えれば敵と戦う動機も無い(知らない)し、常人であれば相手の安否を気遣ってしまう所である。
だが敵の安否よりも気になるのは、見事勝利を飾ったプレイヤーキャラが勝利の余韻に浸った後、次ステージへ移動する際に開いているはずのマンホールの上を堂々と闊歩し通り過ぎていく様だ。
きっと透明な蓋で塞がっていたんだろう。いや、俺は確かに数秒前に人が落下していく場面を見た気がするんだがなあ。

都会の王者への道は深い

動機もなく植木鉢を落としてくる住人(そして何故か勝者には祝福の紙吹雪)、路上戦にも関わらず己の拳のみでしか戦う事の許されない謎のレギュレーション、敗者はマンホールを介して下水道に叩き落とされる(その後安否不明)というケンカにしては厳しすぎる制裁、そして誰にもメリットの無い透明マンホール蓋の設置と、独自の世界観を貫き通している本作。
言わずもがな、本作の真髄はCPU戦よりも対人戦にある。是非ともルールとモラルを守れる紳士的な友人とプレイし、紳士的なストリートファイトに興じて欲しい。
間合いを計算し相手との距離を詰め、意図的に相手の頭上に植木鉢をお見舞いする事が出来る様になれば、貴方も立派なアーバンチャンピオン。
さあ、植木鉢が激突し放心状態の相手にパンチの雨を浴びせ、下水道へ叩き込め!(紳士的なプレイはどこへ行った)

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