ペーパーボーイ

ペーパーボーイ

命懸けの仕事、新聞配達

治安の悪すぎるスリリングな街

「新聞配達」と言えば、日も昇りきっていないまだ薄暗い明け方に何百部もの新聞を配って回る、正に勤労少年の見本ともいえる労働行為だ。
多くの勤労少年は昼間の時間帯に学業やスポーツに打ち込む為、明け方の時間を利用して学費や家賃等を捻出する為に新聞配達を行うのだが、本作のペーパーボーイは少し事情が異なるようだ。まずは配属初日の朝刊の一面「ぺーぱーぼーい すりりんぐな はいたつ!」
待て。待ってくれ。まだ俺は配達をしていないし、配達という行為がスリリングだという先入観すら持っていないぞ。

しかしゲームを開始すると新聞配達=スリリングの図式はすぐにプレイヤーの脳裏に焼きつく事となる。
まず新聞配達を行う勤労少年の大事な足であり商売道具である自転車。ブレーキがない。そして少年は漕ぐ事を止めない。
少年が運動を停止する時は、配達を無事完了した時。もしくは死ぬ時だけだ。新聞配達の仕事を終えるか、はたまた生物としての生命活動を終えるか、
後先何も考えない少年時代特有の行動原理を良く表現しているシステムと言える。

少年の行動もスリリング

後先何も考えない少年は新聞をポストに投函する時ですら自転車から降りる事はなく、自転車に乗ったままポストに新聞を投げ込む。
新聞を契約していない家に関しては、新聞を投げつけて窓ガラスを割るという媚を売らない硬派な対応で得点が加算される。
普通、新規契約が欲しい際には洗剤やスポーツ観戦チケット、一ヶ月無料などの特典を持って売り込みに出向くのがセオリーだが、
ペーパーボーイは窓ガラスをブチ破って新聞を投げ入れ「ウチと契約すると窓ガラスが割られなくて済みますよ、ついでに新聞が読めます」と言わんばかりの実力行使型営業スタイル。

もちろんそんな営業で新規客が増える訳もなく、むしろ逆に包丁を持ったオバサンが家から飛び出し殺害される事もしばしば。
他にも新聞配達を行う際の障害は多く、子ども、ダンサー、野良犬、ラジコン、死神(?)などバラエティに富んだ障害物の数々。
ペーパーボーイはこれらの障害物に触れるとガシャーンと無駄にリアルな事故音を発しながら横転し、新聞配達員として、そしてひとりの人間としての活動を終える事となる。
俺はただ新聞を配っているだけなのに…。この街の住人は新聞配達員に何か恨みでもあるのかな?でもよくよく考えてみれば新聞投げつけて窓ガラス割ってるのはこっちでした。

きっとこの街は住人と新聞配達員の間に深い確執があるのだろう。もしくは他新聞社の執拗なまでの妨害行為か。死人出てますけど。
じゃなきゃ死神とか竜巻が只の勤労少年を襲う理由が分からない。というかこの2つに関しては存在している仕組み・メカニズムすらよく分からない。

ペーパーボーイが人外(や包丁オバサン)と戦う手段は新聞のみ。ちなみに新聞は手持ちの数に限りがあるので、ガラス割り営業行為に精を出しすぎるとすぐに数が底を尽きてしまうのだが、道端に落ちている新聞で補充出来るので問題無し。…当日の朝刊が落ちてるならわざわざ配達する意味も無いんじゃないかな。他社の妨害行為にしては色々と大味すぎる気もする。

ハロー、そしてグッバイ

配属初日に朝刊に掲載され、そしてクビになった日も同じように朝刊の一面を飾るあたり、本作のペーパーボーイには大きな期待と新聞社の社運がかかっていたのでしょう。
クビになったというより殉職したという報道の方が正しいと思うんだけど、その辺は報道規制なのかなと。
という訳で、結論が出ました。新聞配達がスリリングなのではなく、この街の住人とペーパーボーイ本人の行動がスリリングなだけでした。

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