ドンキーコング3

ドンキーコング3

「ドンキーコング」シリーズ3作目

人気作の続編、しかし主人公は謎の青年

前作、前々作とは打って変わって1画面固定型のアクションシューティングゲーム。ゲーム性の大きな方向転換に伴ってか、主人公、そして敵役として同シリーズに登場してきた「マリオ」の姿は消え、「スタンリー」という名の若者が主人公に大抜擢。これがワイの出世作や!と氏が意気込んだかどうかは今や知る由もないが、現在までのコンピューターゲーム界においてスタンリーが活躍した歴史は無い。デビュー作にして引退作。まるでグラビアアイドルのA●に付くキャッチコピーの様である。

舞台は温室。画面中央にぶら下がっているドンキーコングの尻に虫除けスプレーを吹きかけ、画面上部まで追いやる事でステージクリア。コングの左右には虫の巣が配置されており、コングを護衛するが如く虫が襲い掛かってくる。これらの虫を一定数駆除してもステージクリアとなる。ゴリラの目的が分からない。スプレーを常備している点から推測するに、恐らくスタンリーは温室もしくは植物園の従業員であろう。害虫駆除の為に携帯しているスプレーをよもやゴリラの尻に吹きかける事になるとは数奇な運命である。

そして本作には助け出すヒロインがいない。目的がゴリラの撃退のみではスタンリーのモチベーションも上がる筈が無い。ヒロイン不在、敵はゴリラと害虫、武器は虫除けスプレーのみ…
本作でビデオゲームヒーローにのし上がれなかったスタンリー青年だが、決して恵まれた環境を与えられた訳では無かったのだ。地味すぎる。

ゲーム内容は流石のドンキーコング・シリーズ

世界観には恵まれなかったスタンリー青年だが、肝心要のゲーム性はやはり任天堂謹製のアクションゲーム。(只の植物園の従業員なので)スタンリーの操作性には若干クセがあるが、慣れれば問題なく業務(ゴリラと害虫の駆除)をこなす事が出来るようになる秀逸なゲームデザイン。スタンリーにはコングの撃退と飛来する虫の駆除が業務として課せられているのだが、虫を駆除せず無視(不可抗力です)すると、虫たちは画面下部に設置された植木鉢を持ち去ってしまう。植木鉢は全部で5つ配置されており、全て持ち去られるとミスになる…と思いきや何のペナルティも発生しないので、虫の駆除は自分の身を守る時のみ、暇さえあればコングの尻を撃ち続ける業務スタンスがこの職場で生き延びるコツだ。
厳密には植木鉢を持ち去られるとステージクリア時にボーナス(賞与)が入らない、虫がパワーアップする等のデメリットは存在するが、植木鉢を守ろうとして命を落とすぐらいなら賞与なんていらないと考える従業員の方が大多数であろう。ちなみにスタンリーはコングの投げる石に当たれば勿論、虫に触れただけで殉職(1ミス)となる。そんなに虫が苦手ならわざわざこんな職場で働かなくてもいいのに…

そんなブラックな職場で働くスタンリー青年だが、彼の業務効率を上げる唯一のアイテムが「パワースプレー」だ。
ゲーム開始時に画面上部に設置されており、自力で取りに行く事は出来ない。きっと意地悪な先輩が設置したのであろう。コングの尻を撃ち上まで押し上げるとコングに触れ、パワースプレーが落ちてくる。
通常のスプレーより強力な攻撃性能を誇るパワースプレーはコングの尻に連射を喰らわす事により、速攻でステージをクリアする事が出来る。
効果は一定時間続きステージクリアしても効果を引き継ぐので、取得状態で次ステージへ進んだ際には、開幕と同時にコングの尻へパワースプレーの連射を浴びせ、秒殺でコングを撃退し賞与を得るスタイルが、この職場で働く従業員の模範的行動である。なおステージによってはコングの尻付近を芋虫がバリケードを張っているので注意が必要だ。

そしてスタンリー青年の戦いは続く

ステージは全3ステージ構成のループ式。虫はパワーアップの一途を辿るが、スタンリーに支給される備品はどこまで行ってもスプレーのみ。
ループ式を採用しているゲームの宿命、勿論本作にもエンディングは存在しない。が、別にヒロインを救出する訳でも無いし、働いてたら職場にゴリラが迷い込んできただけなので、エンディングが用意されていない点に何の違和感も覚えない、後味の良い稀有な作品と呼べる。

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